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リスクを洗い出す

売りも買いもスワップ支払いになるケースについて

ここまで当サイトでは、売り買いのどちらか一方で、
スワップを受け取れるという前提の話をしてきました。

しかし、通貨ペアによっては、
まれに売りをやっても買いをやっても、
スワップを支払わなければならないケースがあります。


 中国元/円などの通貨ペア
中国元/円や韓国ウォン/円、台湾ドル/円、タイバーツ/円などの通貨ペアは、
売りスワップも買いスワップもスワップ支払いになっていることがあります。

FXでは日をまたぐときにロールオーバーというものが行われていて、
これにはわずかですがコストがかかっています。

これをスワップ金利で調整してから付与する形になるのですが、
中国元などの通貨は中国政府の政策により、
通貨を海外に持ち出せないため、ロールオーバーコストが大きくなるのです。

これによって、こういった通貨は、
売りも買いもマイナスになる場合が多いです。


 通貨同士の金利が拮抗している場合
たとえば、2007年4月ごろ英ポンドと米ドルの政策金利は、
両通貨とも5.25%と同じになっていました。

このケースのように、金利がほぼ同じ場合は、
ロールオーバーコストのみかかってくるので、
業者によっては、売りも買いも少しだけマイナスになっている場合があります。


 流動性が急激に低下した通貨ペア
たとえば、高金利通貨として人気の高いアイスランドクローナですが、
2008年4月8日にヒロセ通商から以下のようなメールが来たことがありました。

ここから引用
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お客様各位

平素はHiroseTraderをご利用頂き、誠にありがとうございます。

このたびISKのリスクが高まっているとの事由により、
インターバンクのスワップポイントが大幅に変動し、
買いポジションでもスワップポイントがマイナスになっていると、
カバー先から通達がありました。

一時的なものであるとの見解ではありますが、
ISKのリスクが高くなっていることには違いありませんので、
お取引をされる場合は、十分ご注意いただきますようお願い致します。
----------------------------------------
ここまで

そこで、ヒロセ通商(Hirose-Trader)のスワップポイント一覧を見てみると、、

ヒロセ通商(Hirose-Trader)のスワップ一覧

ほ、ほんとだ・・・ISK/JPYが売り買い両方でマイナスになってる、、、(汗)

このケースではアイスランドクローナの流動性に問題があったようです。

アイスランドは人口30万人の小さな国で、
小さいだけに通貨の流通も他の国よりは少ないわけです。

ということは、アメリカの大手ヘッジファンドなどが、
大量に買いに入った場合、買いポジションに偏りすぎてしまうと、
金利の払い手が足りなくなり、
仕方なく銀行は一時的に金利を下げざるを得なくなります。

他にも米ドル/メキシコペソなど、
売りでスワップを受け取れるはずの通貨ペアでも、
一時的に流動性が低下すると、両方の取引でスワップ支払いになっているケースは、
過去にありました。

これらの通貨に共通するのは、
流動性が低くなってしまったということです。

どちらかに売買が偏ってしまうと、
金利の払い手と受け取り手のバランスが崩れてしまい、
両方の取引で支払いにせざるをえなくなるのです!

上記のISK/JPYのケースでは、
約4ヶ月ほどずっとマイナススワップになったままで、
2008年8月19日現在は従来通り、買いポジションでプラススワップに戻っていますが、
今後もこういったことが起こる可能性はあります。


以上売りでも買いでもスワップが支払いになってしまうケースについて、
書いてみました。

ちょっと難しいのは、最後の流動性の問題による、
スワップの減少で、これは自分がポジションをとる段階では、
まったく問題ないように見えるのに、
突如こういった状況にもなりえるということです。

誰もが取引しているような流動性の高い通貨では、
まず起こりえないのですが、
あまり聞いたことがないようなマイナーな通貨ペアでは、
注意が必要です。

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