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リスクを洗い出すユーロ/ドルを買った場合はドル/円レートも影響する
え?なんでユーロ/ドルを買い持ちする場合は、
ドル/円レートまで影響するの?まったく関係ないんじゃないの?
と思った人は是非読んでください!
(そういう人向けに書いています(笑))
ユーロ/ドルの通貨ペアに限らず、
外貨/外貨の通貨ペア全てにいえることですが、
外貨/外貨の通貨ペアの取引をする場合は、
外貨/円の為替レートもほんの少しですが影響してきます。
ほぼ気にしていな人が多いようですが、
気にしていない人が多い分ネット上でも情報が少なかったので、
一応書いておきます。
(いや、気にしていないというか、それほど大きく影響するわけではないので、
気づいていない人が多いのかもしれません。)
上では買いと具体的に書いていますが、
買いに限らず、売りでも、
外貨/外貨のポジションを持つなら外貨/円のレートは影響してきます。
まず、ユーロ/ドル買いの場合で説明すると、
ユーロが上がれば含み益が出て、
下がれば含み損がでます。
しかし、ロスカットレートを評価される証拠金額(有効証拠金)は、
これを円換算にしたものになるので、
評価額はドル/円のレートも影響してきます。
つまり、ユーロ/ドルで、
もし1000ドルの含み益がでていて、
このときのドル/円のレートが105.70円なら、
含み益の計算は、
1000ドル×105.70円=105,700円
となります。
もし同じ含み益1000ドルでも、
ドル/円のレートが100.70円なら、
1000ドル×100.70円=100,700円
となり、含み益にドル/円のレートが影響します。
-1000ドルの損が出ているケースで考えてみると、
為替レートが105.70円の場合と100.70円の場合で、それぞれ、
-1000ドル×105.70円=-105,700円
-1000ドル×100.70円=-100,700円
となります。
ちょっと意外なのは、
含み益が出ているときはドル/円のレートが高い方が有利で、
含み損が出ているときはドル/円のレートが低い方が有利、
だということです。
外貨/外貨の買いは外貨/円の買いよりやや不利!? |
実はユーロ/ドルとドル/円は、ほぼ逆の動きをします。
(たとえば、2008年3月13日から2008年7月16日の相関係数が、
-0.625になっています。ここでは相関係数の意味がわからなければ、
気にしないでください。)
以下は2008年3月13日から2008年7月16日の、
ユーロ/ドルとドル/円の比較チャートです。
つまりユーロ/ドルが上がったらドル/円は下がり、
ユーロ/ドルが下がったらドル/円が上がる関係になっています。
ですので、上に書いた考え方でいくと、
ユーロ/ドルが上がる→ドル/円が下がる→含み益がやや目減りする。
ユーロ/ドルが下がる→ドル/円が上がる→含み損がやや増加する。
という関係が成り立ちます。
これはユーロ/ドルに限らず、ポンド/フラン、フラン/円など、
他の外貨同士の通貨ペアでも、逆に動く傾向あります。
(ポンド/フラン、フラン/円の相関係数は、
同じ検証期間で-0.124になります。)
ユーロ/ドルが上がるということは、
ドル売りユーロ買いがすすんでいることになりますから、ドルの価値が下がる、
と考えると、どの外貨同士のペアでも同じ傾向があるのもうなずけます。
そう考えると、外貨/円を買うより、
外貨/外貨を買う方が、ほんの少しですが、
利益を出しにくくなっていると言えるかもしれません。
逆に、ユーロ/ドルの売りをやる場合は、
ユーロ/ドルが上がる→ドル/円が下がる→含み損がやや目減りする。
ユーロ/ドルが下がる→ドル/円が上がる→含み益がやや増加する。
となるため、外貨/外貨の売りは少し有利に動いていることになります。