為替 超入門 > 余談に近い知識 > 両建てでノーリスクミドルリターン!?
余談に近い知識両建てでノーリスクミドルリターン!?
前ページであまり必要性を感じていないと言っておきながら何ですが、
ここでは、両建てを使った、
驚異のノーリスクミドルリターン投資法を提案します。
ただし、この方法は、
机上の空論になってしまう確率が高いです(笑)
(なので、実はあまり「驚異」じゃありません、、)
ですので、雑学程度にとどめてください!
投資商品というのは、
基本的にリターンに比例してリスクが大きくなります。
動きが逆になる傾向がある通貨を組み合わせて、
変動幅を小さくし、高金利を維持すれば、
ある程度ローリスクミドルリターンは簡単に実現できるのですが、
ノーリスクというのは基本的に無理です。
しかし両建てを使えば、
限りなくノーリスクに近いポジションを取れるかもしれません。
通常両建てというのは、
同じ通貨に対して、買いと売りを同時にする手法です。
(詳しくは「両建てってなに?」を参照してください!)
これによって為替変動リスクは完全に回避できますが、
手数料、スワップスプレッドによるコストがかかります。
ですので通常なら両建てをし続けると、
スワップ金利を毎日払わないといけないので、
利益は得られません。
では、もし売りで払うスワップより、
買いで受け取るスワップの方が高かったらどうでしょうか?
当然買いスワップより売りスワップの方を安く設定している業者は存在しません。
しかし、複数の業者で考えればどうでしょうか?
たとえば2008年8月3日のNZドルのスワップ金利で考えれば、
買いスワップが一番高いのは北辰物産で173円、
売りスワップが一番安いのは外為どっとコムで-163円です。
なんと、同じ通貨を両建てして、
買いスワップから売りスワップを差し引いた金利をプラスにする方法が存在したのです!
この組み合わせなら1万通貨づつポジションをとれば、(両建てをすれば、)
為替差損を完全に回避して1日10円のスワップを受け取ることができます。
北辰物産、外為どっとコムに、それぞれ30万づつ入金し、
北辰物産で買い、外為どっとコムで売りをするとします。
両社ともマージンコールはなく、
ロスカット比率は北辰が運用額の0.25%、
外為どっとコムが運用額の約1.53%です。
(つまり、北辰物産なら、運用額が100万なら、
有効証拠金が2,500円まで目減りしたらロスカットということになります。)
運用額に対するロスカット比率なので、
業者の取引概要などに書かれている表記と異なるのですが、
このページではこの表記で統一したいと思います。
この環境で10万NZドルを78.50円で両建てするとします。
業者 | 売 買 |
証拠金 | 通貨数 | レバレッジ | ロスカット率 | ロスカット レート |
年間金利 | 年利 |
北辰物産 | 買 | 30万 | 10万 | 26.17 | 0.25% | 75.70 | 631,450円 | 210.48% |
外為どっとコム | 売 | 30万 | 10万 | 26.17 | 1.53% | 80.30 | -594,950円 | -198.32% |
*ロスカットレートとは、業者にロスカットされてしまうレートのことです。
このままうまくロスカットさえされなければ、
リスクフリーで年間、
631,450円-594,950円=36,500円
36,500円のスワップを受け取ることができる計算になります。
初年度は手数料が差し引かれるので、
その分はマイナスします。
北辰物産は手数料無料、
外為どっとコムはNZドルの1万通貨あたりの手数料は300円になります。
外為どっとコムでは10万通貨の売りポジションをとっているので、
初年の利益は、
36,500円-3,000円=33,500円
33,500円となります。
投入した金額が2社合わせて60万なので、
年利は、
33,500円÷60万≒5.58%
となります。
ノーリスクということを考えると、
驚異のパフォーマンスですね。
これは初年の手数料を考慮した計算なので、
2年目以降のパフォーマンスは、
36,500円÷60万≒6.08%
と、さらによくなります!
また、さらにレバレッジを上げることによっても、
よりリターンを上げることが可能です。
ただ、レバレッジ26.17倍なら、
ロスカットレートは上は80.30円下は75.70円ですが、
これ以上に上げると案全域がさらに狭くなるので、
その点は注意が必要です。
ロスカットされて手数料がかさむと、
利益を圧迫してしまいますので、
このプランではロスカットされないということが重要になってきます。
しかし、ロスカットをほぼ完全に回避する方法もあります。
お気づきかもしれませんが、
どちらかのポジションがロスカットレートに近づいたら、
2社間で資金を移動します。
上記2社の場合は、出金が翌日にはできますので、
その後すぐに入れたとすると、
長めに見積もっても出金した日から3日後には、
もう一方の業者に資金移動が完了している計算になります。
この方法で、
レートが75.70円に近づいてきたら、
外為どっとコムから北辰物産に資金移動を、
80.30円に近づいてきたら、
北辰物産から外為どっとコムに資金移動をします。
レバレッジを上げるほど安全域が狭くなるので、
この作業の頻度が増すことになります(汗)
もしくは、資金に多少余裕があるなら、
まずロスカットされそうな業者に入金し、
その後もう一方の業者から出金するのもよいとおもいます。
と、ここまでは完全にリスクフリーになりそうです。
あと考えられる最大のリスクと言えば、、
本当に北辰物産と外為どっとコムのスワップの関係が維持されるのかどうか?
ということでしょう。
冒頭に机上の空論になる率が高いと書いたのはこれなんです、、
実はこの記事を書いている2008年8月20日現在、
北辰物産のNZドル/円の買いスワップは148円、
外為どっとコムのNZドル/円の売りスワップは-152円ということで、
見事に逆転しています!(笑)
ですので、もしやっていたら、
途中で「無理だ、、」となって決済し、
おそらく手数料・スプレッド分が損になっていたと思います。
スワップはインターバンクの業者同士のフォワードマーケットによって決定されますので、
どうぶれるかを予想するのは困難です。
ということで、
どれだけ長期間2社間のスワップの関係が維持できるのか?
という不確定要因はどうしても回避できそうにありません、、
なので、非常に残念ですが、
このプランは机上の空論になる確率が高いです(笑)
ちなみに為替バカはこのプランを実行していません!
このプランで、
いけるかもしれない!と意気込んでくれた人がいたら、
ごめんなさい、、
やっぱりノーリスクでリターンが期待できる投資対象なんて、
無いですよね、、