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最低限必要なFXの知識ロスカットレートの具体例な算出方法
ここまでロスカットについて詳しく説明してきましたが、
ここではロスカットについて最後に、
実際に業者を例に具体的にはどんな計算になるのか?
というこころをじっくり説明しておきたいと思います。
外為どっとコムでNZドル/円を1000通貨、証拠金1万円で買った場合 |
NZドル/円を1000通貨取引するには、
3200円の証拠金が必要になります。
そして、外為どっとコムでは、
ロスカットレベルは初期設定では、
証拠金維持率が30%に設定されています。
証拠金維持率は、
取引に必要な証拠金が3200円である場合、
証拠金を3200円入金していれば100%になります。
ロスカットレベル30%ということは、
いいかえれば、必要な証拠金(3200円)が、
30%まで目減りしたらロスカットしますということになります。
つまり、
3200円×30%=960円
ですので、入金した証拠金が、
960円まで減ってしまったら、強制決済されることになります。
今回の例では1万円を入金していますから、
買った直後の段階ではロスカットまでに9040円の為替差損に耐えることができます。
NZドルを1000通貨買っているので、
これを1000で割れば、1NZドルあたりのレートが算出されます。
9040円÷1000=9.04
ということで、1NZドルが9.04円下落するまで、
ロスカットされずに済むということになります。
仮にはじめに10万円を入金していたとすると、
10万円-960円=9万9040円
9万9040円の為替差損に耐えることができます。
この場合は1000通貨で割ると99.04円の下落に耐えますので、
2013年3月現在ではNZドルは80円ほどなので、
0円まで値下がりしたとしてもロスカットされません!(笑)
つまりレバレッジ1倍以下になっているからですね。
外為どっとコムでNZドル/円を1000通貨、証拠金1万円で売った場合 |
NZドル/円のレートが上がれば為替差損が発生することになります。
ですので、上記の買った場合の例と、
全く同じ計算ですが、9.04円の上昇に耐えることができる、
という考えになります。
外為どっとコムでユーロ/ドルを1000通貨、証拠金3万円で売った場合 |
これが少しややこしいので、
とりあえず外貨/円の取引しか考えていない人は、
混乱するかもしれませんので、読み飛ばしてください(笑)
ユーロ/ドルの場合は、
1000通貨の取引に必要な証拠金は5100円になります。
ロスカットはこれの30%ですから、
1530円まで証拠金が減った段階になります。
つまり証拠金を3万円入金した場合、
2万8470円の為替差損でロスカットになります。
そしてユーロ/ドルのロスカットレートを考える場合、
まず、ドル/円のレートを考えなければなりません。
(詳しくは「ユーロ/ドルを買った場合はドル/円レートも影響する」を参照してください!)
このあたりが、外貨/外貨の通貨ペアのややこしいところです。
まず、ドル/円のレートを100円と仮定します。
このレートでまず、上で算出した、
2万8470円を割ります。
2万8470円÷100円≒284.70ドル
ドル換算すると、約284.70ドルの為替差損に耐えることがわかりました。
284.70ドルをさらに1000通貨で割れば、
ユーロがどれくらい上昇しても大丈夫かがわかります。
284.70ドル÷1000=0.28470
ということで、0.28470ドル上昇した時点でロスカット、
ということがわかりました。
ユーロ/ドルの場合は、
ドル/円レートが日々変動しますので、
完全に誤差なくロスカットレートを予測する方法はありません。
したがって、安全に考えるなら、
ドル/円が最も不利に動いた場合を仮定して、
ロスカットレートの計算をしていてもよいと思います。
たとえば、かなり最悪の事態を想定して、
ドル/円130円で考えます。
ドル/円レートは高い方が、
ユーロ/ドルを売る場合は不利になります。
130円で考えると、、
2万8470円÷130円≒219.00ドル
となります。
これを1000通貨で割りますから、
0.219ドル上昇した時点でロスカットということになります。
1ドル100円で想定した場合はユーロが0.28470ドル上昇すればロスカット、
1ドル130円で想定した場合はユーロが0.21900ドル上昇すればロスカット、
ということになります。
ユーロ/円の売りはかなりややこしかったと思いますが、
外貨/外貨の取引をする場合には、
おさえておきたいポイントだと思います。