両建てってなに?
投資をやっている人なら、
両建てという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
為替だけでなく、株、先物でも使われる投資手法ですが、
1つの投資対象に売りと買いを同時に行うことを言います。
売りと買いを同時に同じ数だけ行いますから、
相場がどう動こうが利益も損失も発生しません。
これが一体何の約に立つのでしょうか?
たとえば、米ドル/円を買うとします、
しかし、思惑に反して値が下がり、
そこそこの含み損が出てしまったとします。
この状況できっぱり損切りができればいいのですが、
その決断ができず、とりあえずちょっとまって!
というときに、同じ数だけ売り建てておけば、
その時点からリスクフリーとなるため、
売りか買いのポジションのどちらかを決済するまで、
相場が全く動いていないのと同じことになり、
考える時間、落ち着く時間が得られます。
このように基本的には、
両建ては、精神の避難所的な使い方をします。
しかし、損切りするよりも手数料もかかりますし、
買いスワップで受け取る金利より、
売りスワップで支払う金利の方が多いため、
毎日金利を払わなければなりません。
また、昔暗躍していた悪徳業者が、
投資家に両建てを勧め、
手数料で稼ぐということが横行していたので、
両建て自体にあまりよいイメージを持っていない人もいます。
このようなことから、
両建てに批判的な意見も多く、
イメージが悪いこともあるのか、
両建てを禁止している業者も多くあります。
しかし上記のような受身の手法としてではなく、
積極的に利益を狙う投資手法として、
両建てを活用している投資家もいます。
たとえば米ドル/円を118.00円で1万ドルづつ両建てするとします。
ここから、118.30円まで上昇したので買いポジションを決済し、
そこから下げに転じて117.90円になったら売りポジションを決済します。
両建てしたポイントが底か天井でなければ、
利益を出すことができます。
このように精神の避難所ではなく、
利益を追求する手法として用いることもあります。
いづれにしても、相場の影響を回避して、
完全にリスクフリーにする両建てというものは、
相場がどう動くかという見通しが弱いときに行われるものです。
プロが積極的に利益を狙ってやる両建てならまだしも、
我々個人投資家が、損切りを先延ばしにするためにやる両建ては、
好ましくありません。
プロは一定期間に利益を上げなければならない、
といった理由から両建てで投資効率、資金効率を高めているかもしれませんが、
我々は時間的な規制がないのが特権ですから、
為替バカは、あまり両建ての必要性を感じていません。
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