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ちょっと難しい実践的な分析

本当に南アフリカランドの金利は割りにあっているか?

*このページの情報は2008年08月22日時点のものです。

「ヒストリカルボラティリティで通貨の変動幅を測る」では、
通貨の変動幅を数字で比較することができました。

これでボラティリティに対する金利という観点から、
通貨を選択することが出来るようになります。

スワップ派にはやはり高金利通貨が人気ですが、
南アフリカランドなどの金利は本当に割りに合っているのでしょうか?

ちょっと検証してみたいと思います。

以下は「ヒストリカルボラティリティで通貨の変動幅を測る」で算出した、
ヒストリカルボラティリティに加え、
USD/JPYとZAR/JPYのスワップと為替レートから金利を算出しています。
(標準偏差がヒストリカルボラティリティになります。)

スワップ、為替レートから金利を算出

このボラティリティと金利に、
レバレッジを反映してみましょう。

レバレッジを反映

ヒストリカルボラティリティと金利の数式をそれぞれ以下のように編集します。

ヒストリカルボラティリティ(USD/JPYの場合)
=STDEVP(B14:B1109)*SQRT(250)

=STDEVP(B14:B1109)*SQRT(250)*B4

金利(USD/JPYの場合)
=(B5*365)/(B6*10000)

=(B5*365)/(B6*10000)*B4

これでレバレッジを変更すれば、
即座にボラティリティとリターンが計算される表ができあがりました。

以下はUSD/JPYをレバレッジ2倍で持った場合の、
ボラティリティとリターンです。

USD/JPYレバレッジ2倍

この表から、
USD/JPYをレバレッジ2倍にしても、
ZAR/JPYを1倍で持った場合のボラティリティはほとんど変わらないので、
ZAR/JPYをレバレッジ1倍で持つなら、
USD/JPYをレバレッジ2倍で持つ方がリスクに対するリターンが大きい

ということが言えます。

いくら高金利の南アフリカランドでも、
ボラティリティが大きすぎるので割に合わない
という結論に達します。

ですので、単に高金利であるからといって、
即座に買いの判断にはならないことがわかります。

ただ、これらの検証と、
テクニカル分析は別に考える必要があります。

ヒストリカルボラティリティは、
下降幅と同じだけの上昇幅もありえると言っているだけですから、
テクニカル分析のような、
「これから上がりそう!」とか「下がりそう!」
といった売買サインとは性質が異なります。

つまりテクニカル分析で、
USD/JPYとZAR/JPYに大差がないならUSD/JPYを買った方がメリットが大きいですが、
明らかにZAR/JPYがテクニカル的に買いなら、
それは上昇余地の方が大きいということなので、
ZAR/JPYを買った方がメリットが大きいケースもあるでしょう。

このような表を作っておくと、
統計学的な考え方から、
自分がその通貨を今のレバレッジで1年間保有する場合に、
どれくらいの損失をする可能性があるのか?
ということを把握する目安になります。

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