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少し実践的な知識なんで!?売りスワップも買いスワップもマイナス!?
ちょっと取引に慣れてくると、
いろんな通貨を取り扱っている業者や、
いろんな業者のスワップが気になってきます。
そんな時、為替バカが「あれ!?」と思ったことがあるので、
ここで触れておきます。
はじめはかなり不可解だったのですが、
売りスワップも買いスワップもマイナスになっている通貨があるんです!
通貨というか、業者によって違うのですが、
たとえば、南アフリカランド/円なら通常以下のようになっています。
通貨 | 買いスワップ | 売りスワップ |
ZAR/JPY | 36 | -41 |
ところが、業者によっては、以下のように掲載されている場合もあります。
通貨 | 買いスワップ | 売りスワップ |
ZAR/JPY | -36 | -41 |
売りも買いも両方マイナスになっているんです!
これを素直に受け止めると、
売った場合も買った場合も金利を払わなければならない、
という様に解釈してしまいます。
しかし実際はそんなことはなく、
両方マイナスになっていても、売りでスワップを支払い、買いでスワップを受け取れます。
我々が見慣れている、売りスワップか買いスワップのどちらかがマイナスの表記は、
実は、わかりやすく言えば、初心者向けの表記で、
本来インターバンクで使われている表記は両方マイナス、または両方プラスになっています。
ここからは少し難しいかもしれませんが、
ちょっと読んでみてください。
実はスワップ金利というのは、
ロールオーバーによって毎日買い戻す際に、
決済した値段より少し安く買い戻す(または少し安く売り直す)ことによって発生しています。
(ロールオーバーについては、「ロールオーバーとか値洗いってなに?」を参照してください!)
つまり安く買い戻せた場合は、その分がプラスになり、
安く売り直した場合はその分がマイナスになります。
そして、どれくらい安く買い戻せる、または売りなおすかは、
その通貨ペアの金利差と、ロールオーバーのコストを考慮して決められています。
スワップを売りも買いも両方マイナスに掲載している業者というのは、
このロールオーバー時の買戻しと売り直しのレートが、
どれくらい安くなるのかを示しているのです!
たとえば今、南アフリカランド/円のレートが、
通貨 | BID | ASK |
ZAR/JPY | 17.0400 | 17.1200 |
となっているとします。
そして、その業者の1万ランドあたりの1日のスワップが、
通貨 | 買いスワップ | 売りスワップ |
ZAR/JPY | -36 | -41 |
となっている場合、1万ランドの買いに対して1日に36円ですから、
1ランドに換算すると、0.0036円ということになります。
この0.0036円をASKのレートから引いたものが、
ロールオーバー時に買戻しできるレートになります。
通貨 | BID | ASK |
ZAR/JPY | 17.0369 | 17.1164 |
このように考えると、
買い持ちの場合は、
ロールオーバー時に17.1200円で売ったランドを17.1164円で買い戻せる、
売り持ちの場合は、
ロールオーバー時に17.0400円で買ったランドを17.0369円で売り直さなければならない、
ということになり、買いの場合はスワップがもらえることになり、
売りの場合はスワップを支払うことになるのです。
ですので、両方マイナスに表記されているのは、
ロールオーバー時にレートがどれだけ安くなるか?
という意味で記載されているのです。
というように、初心者にとっては少し難しい仕組みになっています。

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